パール
最も強度が高いオールジルコニア
1400MPaの曲げ強度を誇るパールはジルコニア補綴物の中で最も強度が高く、フルマウスまで対応します。陶材築盛型ジルコニアのタイザンN・タイザンSとも連結ができるため、前歯部は審美性の良いタイザン、臼歯部は強度の高いパールというようなコンビネーションブリッジが可能です。
オールジルコニア3種類比較
歯科用材料としてのジルコニアの特徴や歴史については、こちらで詳しくまとめています
特徴
色調
ジルコニアカラードディスクを採用しているので色調は安定しています。
シェードは、A1~A4、B1~B4、W系があり、幅広い色調に対応できます。
ただし透過性が低く、グラデーションのない単色の色調のため、他のオールジルコニアと比べて審美性は劣ります。
パールの色調進化
ジルコニア黎明期は、「パール」の名の通り真っ白でギラギラとした光沢のある補綴物でした。この頃のジルコニアは「白い金属」と言われており、硬いのに金属色ではない唯一無二の補綴物でした。(写真左)
その後、焼結(シンタリング)前に着色剤を筆で塗る筆塗法、浸透液に漬けて着色するディッピング法が開発され、色調表現が大きく向上しました。(写真中央)
しかし、これらの方法ではジルコニアの厚みによる浸透具合でムラが出来たり、咬合調整で削合すると白い面が出てきてしまうなどの問題がありました。
その問題を解決したのが、現在使用している「カラードディスク」です。あらかじめ各シェードに着色されたディスクから削り出すことで、均一な色調となります。(写真右)
また、表面のコーティング剤も進化しており、自然な光沢が付与できるようになっています。
透過性
ジルコニアは屈折度が高く透過性が低いため、口腔内で明るく見えて「白浮き」してしまう傾向があります。特にインプラント支台やポンティック部などジルコニアの厚みが大きい場合は、透過性が低くなるのでこの傾向が強くなります。
パールはジルコニアの中で最も透過性が低いので、より「白浮き」しやすい補綴物といえます。
ブリッジの症例では厚みのあるポンティックが特に白浮きしてしまいます。
完全に厚みによる色の差を無くすのは難しいですが、ジルコニアブロック、着色液、焼成スケジュール等を工夫して、できるだけ色の差がでないよう気を付けています。
強度
パールはe.max(T-プレス)の約3倍の曲げ強さがあり、オールジルコニアの中でも最も強度の高い補綴物です(曲げ強度:1400MPa)。
そのため破折に強く、フルマウスまで対応しています。
この強度の高さから、咬合圧の高い臼歯部の症例や、ブリッジの支台、ブラキサーの患者さんに最適です。
保証対象
・連続するポンティックは2歯まで
・連続する延長ポンティックは1歯まで
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パールの写真
補綴物詳細
補綴物名 | パール |
分類 | ジルコニア / オールジルコニア |
曲げ強度 | 1,400MPa ★★★★★★ |
審美性 | ★★☆☆☆☆ |
透過率 | 43% |
生体親和性 | 良 |
最大連結本数 | 16歯まで |
最大連結ポンティック本数 | 2歯まで |
最大連結延長ポンティック本数 | 1歯まで |
IOS(デジタル印象) | 対応 |
保証期間 | 5年間 |