歯医者を開業するだけで稼ぐことのできる時代は終わり、今は地域の中にたくさんある歯医者の中でいかに競合に勝てるかが重要となっています。
「歯医者で儲かるには」と聞くと何となく抵抗のある方もいるでしょうが、しっかりと儲けないと歯医者を継続していくことはできません。歯医者が継続できなければ、地域の人を助けることすらできなくなってしまうのです。
地域の歯医者として、社会の役に立ち続けるためにはしっかりと儲からなくてはなりません。
そこで、この記事では歯医者が儲かるための方法をご紹介します。
歯医者が儲かるために必要な2つの方法
歯医者が儲かるために必要な方法は主に2つあります。この2つの方法をしっかりと追求することで、経営が安定しやすくなるのです。
患者を増やす
まずは患者を増やすことです。現在は以下のような理由で患者を増やすのが難しい情勢になっています。ひとつひとつご紹介していきましょう。
人口のわりに歯科が多すぎる
全国で歯科の数は約6万9000軒あり、全国のコンビニの数約5万5000軒を大幅に上回っています。年々歯科は増えて競争は激化しており、地元住民に選ばれる歯科になることが重要です。どうすれば地元住民に選ばれる歯科になるのかを考えて、施策を実行していく必要があります。
医師の腕の良さが伝わりづらい
どんなに腕が良くても知られなくては意味がありません。どんなに技術を磨いても、最初の一回に来てもらうこと自体が難しいので、腕の良さを知ってもらう機会がないのです。
歯科の技術向上ばかりにかまけて、集患を怠ると、どんなに腕を磨いても誰も知らない状態が続くだけになります。
「腕さえよければ自然と患者はつく」という発想は危険なのです。
結局近いところにしか行かない
どんなに集患を頑張っても、基本的には近所の歯科医院を選ばれてしまいます。「近さ」というメリットに勝つのはなかなか難しいのです。
そのため、徒歩圏内の患者さんを徹底的に満足させて、確実に逃さないようにすることが必要です。
近所の人に口コミをしてもらうほどの、親切な対応をしましょう。一つひとつの地道なサービス改善が重要となります。
保険外の自費診療を増やす
保険診療を中心とする歯科医院では医業利益率は一般的に約25%程度です。自費診療に積極的に取り組んでいる歯科医院では、医業利益率が約45%と高くなっています。歯科経営を安定させるには、自費診療を促進していくことが必要不可欠なのです。
歯医者が患者を増やして儲かるには
歯医者が患者を増やして、儲かるようになるためには具体的に何をすればよいのでしょうか。それらの手順をご紹介します。
どんな患者が多いのか知る
患者にとったアンケート内容や、ウェブ上での評判を確認し、どのような患者が多いのかをチェックしましょう。
「近所だから」という理由以外で来院する「濃い患者」の答えが重要です。いったいどのようなポイントで患者に評価されているのかを知りましょう。
また、開業している地域にどんな悩みを抱えた患者が多いのかを知るヒントにもなるはずです。
患者に合わせてサービスを改善する
アンケート内容の結果に合わせ、改善していきましょう。具体的には以下のような事柄です。
- 待ち時間の短縮
- 丁寧で親切な受付対応
- 子どもへの対応
- 診察での対応 など
日ごろの治療で信頼されないと、自費診療などの利益率の高い治療をする医院として患者に選ばることはありません。
地道な改善を続け、患者さんに選ばれる歯科医院になりましょう。
クリニックの強みを知る
アンケートや臨床で得た患者のニーズと、ご自身の歯科医院の強みを掛け合わせてアピールを行っていきましょう。
矯正しながら虫歯の治療ができる、など矯正歯科にはできないメリットをしっかりとアピールすることが必要になります。
人口移動の少ない地域であれば予防医療に力を入れることでリピーターを増やすことを目指すことが必要でしょう。
また、ファッションに敏感な若年層や富裕層が多く住む地域では審美医療に特化する必要があります。地域やクリニックの特色によって、アピールすべき内容は変わるのです。
広告・宣伝を行う
クリニック内部の改善を進めながら、広告・宣伝も整備していきましょう。とくに以下の広告・宣伝は一度検討してみてください。
- ネット広告
- チラシ
- 紙媒体への広告
- 路上看板など
地域の中での認知度を高めることが重要です。どの方法が合っているのかをよく検討して、実行していきましょう。
ネット予約ができるようにする
「スマホで予約」が普通となった今の時代では、「電話」という作業が苦痛となり、来院の障壁となってしまうことが大いにありえます。
いいなと思ったときに24時間いつでも予約できる環境が大事です。ホームページから自動でネット予約ができるように、予約しやすい環境を整備してみましょう。
歯医者が保険外の自費診療を増やして儲かるには
歯医者が儲かるには自費診療の患者を増やすことが大切です。
では、歯医者が保険外の自費診療を望む患者さんを集めるにはどうすれよいのでしょうか。具体的な方法を3つご紹介します。
患者さんの信頼を得る
まずは日頃からていねいな診療で信頼を得ていきましょう。
自費診療は悩みの深い患者さんに「最善の選択肢」として示し、可能性がある場合はいつでも提示するべきです。
なんとか自費診療をとすすめるのではなく、選択肢として提示することが重要となります。
自分の意志を尊重してもらえれば、患者の気分を害することはありません。
院内で情報発信をする
患者さんが自ら自費診療を受けたいという判断に至るように、院内では自費診療のメリットを伝えましょう。具体的には以下のような手段が有効です。
- 院内ポスター
- 院内資料
- メルマガなど
発信する内容が難しくならないように注意し、誰でもわかりやすい簡単な内容にする事が重要です。
発信している内容が自分の歯の悩みに合致した内容になっていれば、興味を持って読んでもらえます。とくに歯医者にいる間は、日々の暮らしの中でもっとも歯についての情報の受け入れ態勢ができている時間なので、情報を理解してもらえやすいはずです。
発信物をつくるときは、宣伝と思わず本気で悩んでいる人に有益な情報を届ける意識でつくってくださいね。
ホームページで解説する
歯科医院のホームページ内で、患者さんの立場に立って、分かりやすく説明することが重要となります。
患者さんの時間があるときに、自分のタイミングでじっくりと自費治療を理解してもらえるのがメリットです。自分自身で納得して読むので、理解度は深まるし嫌な思いをすることはありません。
歯医者の自費診療にまつわる2つのトラブル
歯医者が自費診療を行うにあたり、考えられるトラブルが2つあります。自費診療をすすめるうえで、注意しておきましょう。
自費診療を身勝手に進めることによるトラブル
自費診療のメリットを一方的に説き、それ以外の選択肢はないかのように進めてはいけません。
自費診療の高額の料金に納得しきれていないまま、治療を進めてしまい、後ほど患者さんのご家族にバレて金銭トラブルになることもあるのです。
患者さんには家族と胸を張って相談できるレベルまで、よくメリットデメリットを説明するようにしましょう。
遠慮して自費診療を勧めないことによるトラブル
「自費診療をすすめると、患者さんの信頼をなくす」と過度に思ってしまい、自費診療の選択肢を提示せず、「あのタイミングで言ってくれたらこんなことにならなかった」と後からトラブルになるケースがあります。
歯科医師は患者さんのベストな選択肢を見つけるのをサポートするのが役割です。
そのため、自費診療の選択肢は必ず伝えてあげる必要があるのです。ただし、選択権は患者さんにあることを強調し、その選択権を奪うような説明の仕方はやめましょう。
患者さんにとって、金銭的にも無理のないベストな選択肢を見つけてあげるサポーターとしての役割を全うしてください。
歯医者が儲かるには自費診療を頼むほどの信頼が大事
歯医者が儲かるには、保険診療の段階でいかに信頼を積むかが重要です。まずは日々の診療を患者さん視線で改善することから始めていきましょう。
自費診療のメリットを普段からしっかり説き、自費診療がベストな選択肢であるという患者さんに確実に情報を届けるようにすることで、少しずつ自費診療を選択する患者さんは増えていくはずです。
保険診療と自費診療の両方を通じ、地域の人たちに役立つ歯科医院となってくださいね。
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