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支台歯形成を上達したい人におすすめの本3選!正しい操作方法と上達のコツを解説

支台歯形成を上達したい人におすすめの本3選!正しい操作方法と上達のコツを解説

失った歯の再生の基礎となる支台歯形成。

どれだけ美しいクラウンやブリッジをしても、支台歯形成がうまく行われていないと機能を果たせず、破折や不具合に繋がってしまいます。

この記事では、支台歯形成に不安がある人や克服したい人に支台歯形成が上達するおすすめの本3選をご紹介します。

さらに、正しい操作方法と上達のコツも解説しますので、参考にしてみてください。

支台歯形成が上手になるおすすめの本3選

まずは、支台歯形成が上手になるおすすめの本3つを見ていきましょう。

各書籍がどんな内容で、役立つポイントや本の特徴などを踏まえてご紹介します。

支台歯形成のかんどころ / 嶋倉道郎・田中卓男

支台歯形成の理論は分かっているが、実際削る際に何に注意すべきか、どんなチェック方法が良いのかということに困っている方におすすめの本です。

前歯と奥歯に分けて基本的な操作方法が見やすく説明されているのはもちろん、経験の浅い臨床医が必ずぶつかる疑問も解決できます。

全部鋳造冠、ブリッジ、接着ブリッジ、前装鋳造冠に分けてハウツーを具体例と共に解説。

また、チェアサイドでサッと確認できる「支台歯形成の10か条」のハンドブックがついています。実用的で嬉しいポイントです。

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支台歯形成のベーシックテクニック / 岩田健男

支台歯形成の基本から4つの課題と10の原則に触れている本です。支台歯形成のバーや形態、形成法のノウハウを部位別、ケース別に解説しています。

全部鋳造冠(上下顎に分けて)、セラもメタル(上下顎と前歯、奥歯に分けて)、MODオンレ―、ブリッジ、部分被覆冠についても説明されており、探しやすく読みやすいのが特徴です。

歯肉縁下のフィニッシュラインの形態や歯肉圧排綿糸についての疑問も解決できます。

さらに、保険治療のみならず、自費治療のポーセレンラミネートべニア、ジルコニアクラウン、セラミッククラウンの詳しい操作方法などが解説されているのが心強いポイントです。

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支台歯形成と咬合の基本 / 小林賢一・真鍋顕

支台歯形成をする際に最も重要なチェックポイントの1つとなる咬合。補綴臨床の基本でもある咬合をマスターできる本です。

まず、1編では支台歯形成の基本とその背景について解説。支台歯のために支台築造や歯周組織の関係性を明らかにしています。

2編では、有歯顎の咬合についての解説がされています。歯科医師が知っておくべき内容を臨床で活躍されている著者らによって細かく説明されており、咬合の診断の重要性から中心位への誘導の方法などが解決できます。

技術ばかりが重要と思われがちな補綴診療ですが、正しい知識を備えて治療方針やプロセスを進められれば事前に避けることができる問題は多いのです。

こちらの本によりその知識を得て、診療に臨めるようになることがポイントです。

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そもそも支台歯形成とは?

支台歯形成とは、クラウンやブリッジを装着しようとする歯を形成する作業のことです。

支台歯形成において欠かせない点は、クラウンやブリッジの着脱が可能なこと、保持力や強度、咬合関係、適合性が十分に確保できる形態に形成するという点です。

単に土台となる歯を削れば良い訳ではありません。

また、支台歯形成は支台築造後もしくは生活歯に行えます。

支台歯形成の正しい手順

支台歯形成の正しい操作手順

支台歯形成の正しい操作手順は以下の通りです。

  1. 舌側、唇側のマージン形成
  2. 隣接開放
  3. 切端、舌面、唇面のグルーブ形成
  4. 第1面形成
  5. 第2面形成
  6. 切端切除
  7. 第3面形成
  8. 隣接部形成
  9. 舌側面形成
  10. 唇側マージン仕上げ
  11. 隅角の仕上げ

生活歯の場合は、露髄を恐れて切削量が足りない、疎かになることがあります。
特に咬合面に多い傾向があるので注意して切削しましょう。生活歯か失活歯かは、トラブルを避けるためにも、事前にレントゲンやカルテをよく確認してください。
失活歯の場合は、露髄の心配はありませんが、切削する前に打診痛みや違和感がないかなど最終チェックを忘れないようにしましょう。

また、支台築造から支台歯形成まで同日に行うことが多いため、アポイントは余裕を持って入れてください。
患者さんに事前に治療時間が長くなる趣旨を説明しておきましょう。

上達するコツ・重要なポイント

① 機能側では3面、非機能側では2面が基本。

精密性を高め補綴物との適合を良くするためです。

② 第1面に立ち上がりをつける。

クラウンなどの補綴物を支える力を発揮させるためです。

③ スムーズなフィニッシュラインにする。

補綴物合着後にかかる咬合力の負担から支台歯を守るためです。

④ 隅角部は丸める。

天然歯同様、隅角を丸めることにより、補綴物との合着性を良くする。

支台歯形成の上手な形成・下手な形成

上手な形成 

基本的には、フィニッシュが機能側ではアクセンチュエイテッド シャンファー、非機能側ではシャンファー形態となります。

また、補綴物によって形態を変更する場合は、メタルクラウンなら「シャンファー」、メタルセラミッククラウンなら「スロープドショルダー」、オールセラミッククラウンなら「ラウンデッドショルダー」が一般的です。

下手な形成 

支台歯には、ナイフエッジ、ショルダー、ジャンピングマージン、アンダーカットがあります。

このような形成だと、補綴物の適合性が悪く破折などが起こってきます。

慣れないうちは歯科医師の目からは気が付きにくい場合でも、印象採得のチェック時や咬合器でのチェック時に発見できるので注意しましょう。

まとめ:自分に合う本を見つけて支台歯形成の技術を磨こう

さまざまな本や情報があり困っている方も多いかと思います。

支台歯形成を成功させるために日々努力されている歯科医師のみなさんに、今回おすすめした本のなかで、お気に入りが見つかれば幸いです。

基本的な手順や、守ってほしいポイントを押さえてより多くの患者さんの歯を守っていけるようにステップアップできると良いですね。

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