二ケイ酸リチウムは、近年ジルコニアと並んで注目されている物質です。
e-maxシステムで作られるセラミック技工物の素材の原料にもなっています。
この記事では、ニケイ酸リチウムとはどんな素材なのかをご紹介していきましょう。
ニケイ酸リチウムとは
ニケイ酸リチウムとは、プレスセラミックの主成分となる曲げ強度360~400MPaを有するセラミックス材料です。
メタル同様に鋳型にて成型することが可能な素材であり、高温で熱することで溶融する特性があります。
長石系陶材よりも強度が優れていますが、長石系陶材よりも透明感に欠ける色調です。
単体の歯冠に使用した場合には非常に高い耐久性を持ち、コストパフォーマンスに優れています。
ニケイ酸リチウムの特徴とは?
ニケイ酸リチウムでつくったプレスセラミックはその審美性と耐久性から、前歯から奥歯まで幅広く使える素材です。
プレスセラミックは保険適用外なので自費診療となります。
見た目が良く、ほとんど変色しない
審美性に優れており、汚れ(プラーク)が付きにくいという特徴があります。
天然の歯のように見せるために、様々な透明度の材料から、ケースに応じて審美性の高い白い詰め物・被せ物を製作可能です。
強度が高い
強度が高いので、かみ合わせの強い患者さんにもおすすめできます。
オールセラミックインレーも可能で、従来のガラスセラミックやハイブリッドセラミックと比較して割れにくく、耐久性が高い素材です。
硬すぎず今の歯を傷つけない
天然の歯より硬い素材を使った場合、噛み合う歯(対合歯)や顎関節に良くない影響が出る可能性があります。
一方、ニケイ酸リチウムを使った素材の詰め物や被せ物は、噛み合う歯(対合歯)を傷つけることなく、自分の歯を長持ちさせられるのです。
天然の歯と強固に接着する
ニケイ酸リチウムを使ったセラミックは天然の歯と強固に接着させられます。そのため、治療した箇所から虫歯(二次カリエス)になりにくいのです。
ニケイ酸リチウムはこんな人におすすめ
ニケイ酸リチウム使った素材は、このような患者さんにオススメできます。
- 銀歯の見た目が嫌だ
- 仕事で人に歯を見せることが多い
- 金属アレルギーである
- 忙しくて頻繁に歯医者へ通えない
- 白い詰め物や被せ物がしたいけど、高価なものは嫌だ
患者さんとの会話の中で、以上のような事柄に該当した場合は、ぜひ積極的にニケイ酸リチウムが原料となっている素材をおすすめしてみてください。
ニケイ酸リチウムで作られるe-maxに注目が集まる
現在、歯科治療で使われる素材の中でもニケイ酸リチウムで作られるe-maxという素材に注目が集まっています。
e-maxとはどのような素材なのか解説していきましょう。
e-maxとは
e-maxとは『empress max』(エンプレス・マックス)の意味を持つ、ニケイ酸リチウムが原料となっている素材です。
e-maxによるセラミック歯の製作方法は2種類あります。
- セラミックブロックを技工所でファーネス(ミニ溶鉱炉のような機械)でプレス製作する
- セラミックブロックをセレック(加工装置)により、その場で削りだしてCAM製作する
院内にセレック(加工装置)の機器がある場合は、e-maxのセラミックブロックを、その場で一人ひとりの患者さんの歯に合わせて削り出すことができます。
特に奥歯の詰め物(セラミックインレー)は、数時間から1日で修復することが可能です。
e-maxを導入するメリット
粗利が高い
インレー等の費用対効果がよく、粗利が高いのが特徴となっています。
e-maxを使用した治療を多く行うことで、歯科医院の経営安定に寄与してくれます。
医院の信用が上がる
見た目が美しいうえに、耐久性や耐水性に優れている素材です。したがって、患者さんの満足度が非常に高くなります。
他医院との差別化ができ、患者さんにアップグレードの説明がしやすいのも魅力です。
ミスが少なく安心
歯科技工所ではエキスパートの職人が制作しています。そのため、ハイレベルな技工物を提供できます。
セレックを使った場合もミスが少なく、完成度が安定しているので安心です。
低価格で提供できる
全国の歯科医院から受注している、大手の歯科技工所を選びましょう。
そうすることで、患者さんに低価格で提供可能です。
まとめ:ニケイ酸リチウムは審美性と耐久性を兼ね備えた素材
ニケイ酸リチウムを原料に使用した素材は審美性と耐久性を兼ね備えた優秀な素材であることが分かりました。
その中でもe-maxは患者さんにも歯医者にもメリットが大きいのでおすすめです。
患者さんに優秀なニケイ酸リチウムを使った素材について知ってもらい、自費診療を促進していきましょう。
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