2023年6月発行 No.127 / 記事執筆:宮岡
お客さま第一とは
お客さま第一の対応
いきなりですが質問です。あなたならどう対応しますか?
弊社では「お客さま第一」のレベルを上げるために、小宮コンサルタンツの講師を招いて年4回社員研修をおこなっています。2019年にスタートして今年で5年目に突入したこの研修では、スタッフを3つのグループにわけて、それぞれでディスカッションしながら課題に取り組んでいます。冒頭の質問は、第1回目の研修時に「消費者から考えるお客さま第一」を考えるうえで出された質問の1つです。
私たちの答えは、「忙しい時間帯なので地図を渡して説明する」「高齢なので道に迷うかもしれないから案内する」など、コインロッカーに導く方法が多くあがりました。お客さま第一の研修なので、より丁寧に、よりお客さまに満足してもらえる対応を考えたつもりです。しかしながら講師の回答例は、「ホテルのクロークでも預けられることを提案する」でした。この答えを聞いたときに、お客さま第一の本質を理解できていなかったことを痛感しました。コインロッカーの場所を聞かれましたが、高齢の夫妻の本当の目的は、「コインロッカーの場所を知ることではなくて荷物を預けること」です。夫妻はコインロッカーしか荷物を預けられる場所を知らないだけかもしれません。また、ホテルのクロークとは違いコインロッカーではお金がかかってしまいますし、荷物が重たかった場合はそこまで行くのも大変です。
お客さま第一の本質
お客さま第一とは、「内部思考」から「お客さま思考」に切り替えて、自社都合にならないこと。つまり「お客さまの視点に立って考えて行動する」ことです。内部思考では、”忙しいから”とか”体調が悪いから”など言い訳をしたり、人のせいにしてしまいがちです。このような場合、大概は自分が内部思考になっていることに気付いていません。気付けてさえしまえば、あとはお客さま思考に切り替えるだけです。
お客さま第一の取組みは、特定の人だけが出来ればよいのではなくて、スタッフ全員で取り組む必要があります。誰か一人でもできていないと、会社全体ができていないと思われてしまうからです。そのため全体のレベルアップが必要不可欠です。
お客さま第一を鍛えるためには
お客さま第一を鍛えるには3つの方法があります。
お客様のことを知る
どんなことで悩んでいるのか、何を望んでいるのかを考える必要があります。直接のお客さまだけでなく、エンドユーザーのことも考えなければいけません。
良い商品やサービス、対応の感性を高める
どのようなことをしたら喜んでもらえるかをを理解することが重要です。そのためには、良かったこと悪かったことを感じて、良かったことの体験をたくさん知っておくと、引き出しを増やすことができます。
実践してやりがいを感じる
考えているだけではお客さまには伝わりません。試して行動することではじめてお客さまに喜んでもらえます。「喜んでもらう」という成功体験が自ずとレベルアップにつながります。
スリービー・ラボラトリーズの今後の取組み
「お客さま第一」は、どの会社・医院でも掲げている内容だと思いますが、どうしても「飾り言葉」になってしまいがちです。弊社も研修を通じて良くなった部分はありますが、まだまだ目標とするレベルには達していません。
- お客さまが不快に感じる行動や言動をとらない
- お客さまの意図をくみ取ってご提案や製作に反映させる
- お客さまが喜び感謝されるサービスをご提供する
これらをスタッフがやりがいを感じるところまで昇華させ、今後も社員研修を通じてレベルアップを図っていきたいと思います。
社員研修 講師
エグゼクティブコンサルタント
金入 常郎 氏