2019年5月発行 No.79 / 記事執筆:渡部
3D顔貌でバーチャル咬合器にマウント
先日、CADソフト内にて3D顔貌を使用したオクルージョン設計の勉強会に参加してきました。内容はCADソフトの中にあるデザインシステムを使用し、3D顔貌でバーチャル咬合器にマウントして顔貌写真上でオクルージョンの設計、排列をしていくというものでした。3D顔貌に最終補綴のイメージをCAD上にてマッチングすることができますので、歯科医師と歯科技工士の連携を容易にして、より正確な計画のデータを基に咬合器上に置き換えた時でも再現ができます。また、データを基に診査診断を行うことや、患者様の顎の動きをソフトウェアに転送して実際の動きを考慮した補綴物を作成するなど、デジタルならではのツールも見ることができました。
今回の研修では、シークエンシャルオクルージョンをテーマに設計を行いましたが、製作するうえでコンセプトを持って取り組まないと、今後はデジタルソリューションの中で特に求められている“価値”の補綴物を提供することは困難であるとも思いました。通常、設計するにあたり、経験で得た知識を基に応用を利かせながら製作に取り組むことがありますが、CAD上でも同様にあてはめることができます。殆どを機械任せにするのでは症例によっては躓くこともありますので、コンセプトに沿ったうえでの創意工夫・応用をきかせることは、CADが普及する以前と変わってはいないようです。
現在、弊社でもオーラルスキャナーによる受注が増え、今後もマテリアルを増やし可能な限り要望にお応えしていきたいと思います。オーラルスキャナーやCADの普及により、歯科医師・技工士がデジタルデンティストリーのワークフローに慣れ親しみ、デジタルならではの治療に向けて、より様々な工夫をして取り組んでいきたいと思います。