2017年3月発行
東京では平年より5日早い3月21日に桜の開花宣言が発表され、今まさに見ごろを迎えています。
桜を見ると“今年度も頑張るぞ!”っと気が引き締まり、新しいことにチャレンジしたくなりますね。
さて、新しいことといえば、大変お待たせしておりました「第3のオールジルコニア」が、ついに取扱開始となりました!その名も「パールマルチレイヤー」。色調と透過性のWグラデーションがかかったオールジルコニアです。
パールマルチレイヤーは、色調と透過性、強度の違う5つの層で出来たジルコニアブロックから削り出すことで、曲げ強さ1100MPaの歯頚部と、透過性の高い咬合面(曲げ強さ780MPa)という、“強度と審美性を兼ね備えた補綴物”を可能にしました。パールクラウンとパールエナメルクラウンの良いとこどりをした、これぞまさに究極のオールジルコニアといったところではないでしょうか。
補綴物 | パールマルチレイヤー |
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保証期間 | 5年間 |
製作日数 | 4日~ |
対応本数 | 単冠のみ |
オールジルコニア | 強度 | 透過率 |
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パール | 1200MPa | 45% |
パールマルチレイヤー | 780~1100MPa | 45~49% |
パールエナメル | 780MPa | 49% |
しかしながら、パールマルチレイヤーにも弱点があります。まず1つめに、透過性はジルコニアの厚みに大きく影響されてしまうことです。これはオールジルコニア全般に言えることですが、インプラント支台やクリアランスが大きい場合、またポンティック部など、ジルコニアが肉厚になると不透明でマットな質感になってしまいます。
2つめは、ブリッジや連冠の場合の色調不良です。CAD/CAMで削り出す際に、ジルコニアブロックに収まるように配置すると、歯軸によっては斜めにグラデーションがかってしまったり、エナメル層のない歯が出来てしまうことがあります。パールマルチレイヤーの特徴であるグラデーションが、連冠だと問題になってしまうのです。
単冠で支台の大きささえ注意すれば、とても有用な補綴物となります。高い強度を生かして連冠にも対応したいところですが、上記のような色の問題がありますので、当面は 単冠のみの取扱 とさせて頂きます。検証を重ね、連冠・Brが対応可能となりましたらお知らせいたしますのでお待ちください。