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次世代のマテリアル「ペクトンアイボリー」の紹介

次世代のマテリアル「ペクトンアイボリー」の紹介

ペクトンアイボリーとは?

ペクトンアイボリーは、次世代のハイスペックな補綴マテリアルとして注目されています。スイスのセンザメトー社で開発された、メタルやセラミックとは異なる高性能の「ポリマー」材料です。歯冠修復材料として2018年に国内で初めて薬事承認を受けました。

ペクトンという素材は医科領域では30年前から使用されており、それを歯科に応用したのがペクトンアイボリーです。そのため安全性は高いといえます。

一番の特徴は、柔軟性があり機械的に強く、そして非常に軽い素材であるということです。例えばフルアーチのフルセラミックブリッジやチタン製のフルセラミックブリッジは60〜100gとなります。一方ペクトンのフルアーチブリッジでは、コンポジットレジンやアクリルを用いると10g以下、セラミックを用いても20g以下となり、圧倒的な軽さが魅力です。そして象牙質と同じくらいショックを吸収します。

審美性にも優れるためクラウン、ブリッジ、インサート、アバットメント、インプラント用ソリューションなど歯科の多くの症例に適応となります。

ペクトンアイボリーの特徴

ペクトンアイボリーには様々な特徴があります。いずれも従来から用いられてきた金属とは全く異なった性質で、患者様にとってのメリットが大きい材料です。ここでは、ペクトンアイボリーの特徴を詳しくご紹介します。

ショックアブソーバー

インプラントの上部構造としてペクトンアイボリーを用いた場合、一般的なジルコニアと比較して骨への衝撃をおよそ3分の1に軽減する効果があることがシミュレーション結果から報告されています。これにより、骨の力の負担を軽減することができるのです。この性質は、歯根膜のないインプラント補綴にとても適した性質です。

メタルフリーのため金属アレルギーを惹起しない

ペクトンアイボリーは金属ではなくポリマー素材のため、金属アレルギーを起こすことがありません。よって、金属アレルギーの患者様にも安心してお使い頂けます。

人骨に近似した特性

人骨に近い柔軟性をもつことがペクトンアイボリーの特徴です。これは従来から用いられているチタンやジルコニアとは異なる特徴です。

低い吸水性

吸水性が低いことにより、プラークの沈着が少なくなります。患者様がご自身での清掃を行いやすくなります。

カリエスコントロールしやすい

プラークの沈着が少ないため、カリエスコントロールを行いやすいといえます。

軽量かつ強度が高い

軽量かつ強度が高いことが、ペクトンアイボリーの大きな特徴です。歯科材料として長い間金属の問題点とされてきた硬すぎる・重いという欠点を解決できる材料です。

滅菌可能

新型コロナウイルスをはじめ、インプラント周囲炎などの観点からも滅菌できる材料というのは利点となります。

電気および熱の伝導がない

金属ではないポリマー素材のため電気や熱を伝導せず、口腔内で安全に用いやすいと考えられます。有髄歯に装着しても、知覚過敏が起こりにくい材料です。

生体親和性が高い

ペクトンアイボリーはインプラントグレードの製造工程を経ており、生体内での永久使用が認められています。

加工性・研磨性が高い

加工しやすくチップの少ないマテリアルであるため、様々な用途の補綴物をインハウスで製造することができます。デジタル加工を行うことにより、時間とコストを削減できます。研磨性も高く、プラークの付着を抑制することができます。

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