審美性に優れたタイザンを用いた技工物をについてご紹介いたします。
タイザンとはどんな材料?
タイザンは陶材築盛型ジルコニアで、CAD/CAMで削りだしたジルコニアフレームに専用の陶材を築盛した補綴物です。
ジルコニアフレームにVITAシェード全色の着色ができるので、陶材の築盛スペースが少なくても製作ができます。
そのため従来1.5㎜以上必要だった歯質形成量が、たった0.7㎜(咬合面は1.5㎜)でよくなり、生活歯に対してもオールセラミックスを使用することができるようになりました。
ジルコニアは非常に割れづらい特性を持っており、支台歯の削合を最小限度に抑え、有髄歯のまま歯の治療を進められます。
その利点は患者様にとっても、歯科医師の皆様にとっても大きいでしょう。
たとえ1mmでも歯の表面を削り足すと知覚過敏や痛みが強く出てしまい、結果として抜髄が必要になるという残念な結果になりかねません。
当社の築盛型ジルコニアは、そんなリスクを大幅に軽減できる薄さを実現できます。治療する歯に被せるジルコニア自体が、薄いうえに割れづらいので咬む力の強い所に使用しても問題ありません。
タイザンの種類
当社では、基本築盛対応のタイザンNと多重築盛タイプのタイザンSを使用しております。どちらも審美性は高く、強度もあるのでフルアーチの症例に対応可能です。
タイザンNとは
CAD/CAM で削り出されたジルコニアフレームの上に、陶材を基本築盛した補綴物です。ジルコニアブロックには透過性があるので、ブラックマージンの心配はありません。
シェードガイド通りの色調を再現することができます。1200MPa の曲げ強さを誇るジルコニアで製作したフレームは破折に強く、フルマウスにも対応できます(連続するポンティックは2歯までとなります)。
タイザンNについて詳しくはこちら
タイザンSとは
タイザンクラウンNでは表現しきれない色調にも対応できるのが、タイザンSです。ジルコニアフレームの上に、デジタル画像を分析した多様なデータを基に陶材を多重築盛する、審美性に特化した補綴物です。
歯質形成量を多めにとることで陶材を築盛するスペースを確保し、ジルコニアの強度を保ちながら審美性を向上させています。
タイザンSについて詳しくはこちら
オールジルコニアとの比較
陶材築盛型ジルコニアとオールジルコニアとでは、どのような違いがあるのでしょうか。
当社では、オールジルコニアとしてパールエナメルやパール、パールマルチレイヤーという材料を使用しております。
パールエナメルは、透過性の高いジルコニアブロックを用いており、審美性が高い材料です。ジルコニア補綴物の中では780MPa と強度が低めですが、それでも e.max の 2 倍近い強度を有します。透過性が高いため、オールジルコニア補綴物の中で最も自然なインレーを作製できます。ただし、ジルコニアの厚みが大きい場合には透過性は大きく損なわれます。3本まで連結可能です。
パールはジルコニアのみで製作した高強度の補綴物です。当社が取り扱うジルコニア補綴物の中でも最も曲げ強度が高いので(1200MPa)、破折の心配がほとんどありません。咬合圧の強い大臼歯部に適しています。ただし、透過性が弱く、また色調が安定しないため審美性が求められる前歯部には不向きです。また、ジルコニアの厚みが大きい場合には透過性は大きく損なわれます。フルアーチにも対応できます。
パールマルチレイヤーはジルコニアのみで製作したグラデーションタイプの補綴物です。歯頚部から咬頭にかけて透過率が高くなっています。色調は5段階のグラデーションが付与されているので、オールジルコニアとしては自然な質感を再現できます。強度 (780~1100MPa)と審美性を兼ね備えている補綴物です。なお、グラデーションは、あらかじめ付与されているので調整はできません。また、ジルコニアの厚みが大きいと透過性は大きく損なわれます。4本まで連結可能です。
パールマルチレイヤークラウン(左)とパールクラウン(右)の比較です。
7┘にパールマルチレイヤークラウンを装着したところ
7┘にパールクラウン装着したところ
陶材築盛型ジルコニアとオールジルコニアの選択
オールジルコニアは近年、材料が進化し審美性も兼ね備えたものの開発が行われています。しかし審美性が求められる部位では、やはり陶材築盛型ジルコニアの方が患者様にも満足していただけることが多いのが現状です。費用や歯質切削量も異なりますので、患者様のニーズに合わせた選択をしていただくことが大切です。
タイザンの症例紹介
タイザンの技工ならスリービー・ラボラトリーズへ
ジルコニア素材を用いた技工のご依頼なら、技工実績の多いスリービー・ラボラトリーズへお問い合わせください。
経験豊富な歯科技工士が対応させていただき、歯科医院様にも患者様にも納得して頂ける補綴物を作製させていただきます。
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