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限られた診療時間で適切な治療をおこなうには

限られた診療時間で適切な治療をおこなうには

2023年7月発行 No.128 / 記事執筆:島田

炎暑ことのほか厳しい中、いかがお過ごしでしょうか。医院様におかれましては、日頃よりご支援ご厚情を賜り誠にありがとうございます。私共もより質の高いサービスをご提供できますよう、一層精進してまいります。

歯科技工士の技術力

医院様へご訪問して感じること

日ごろ医院様へご訪問して思うことは診療時間が限られた中で歯科技工物がセットされるまでの適切な治療を行うには、歯科技工物として相当高い完成度のレベルにないとご迷惑をおかけしてしまうと言う事を痛感いたします。我々歯科技工士は間接的に取り出した情報をもとに充分なスペースのある技工机で、ご納品日が迫るまでは納得のいく時間を使い製作ができます。それを思うと先生方に口腔内で快適な治療をしていただくには、もっと様々な工夫や改善が不可欠と感じて止みません。

デジタル化が進んでも結局は歯科技工士の技術力

歯科技工業界もデジタルにおける機械化が進みアナログ技工が中心だった歯科技工物の製作も半分以上が精度や再現性の高い加工機等が活躍しています。とは言え実はそれをより活かせるのがアナログ技工に精通した応用力の高い歯科技工士です。例えば製作物のフィット一つでも1ミクロン単位で加工はできますが、支台歯との適切なフィット感を確認するのは歯科技工士の感性です。それにより先生方のお好みのフィット感を実現できます。また形態におけるデザイン力もCADソフトに内蔵されているものは格好の良い歯冠形態をしております。しかしながらそれを周りの歯牙に大きさや辺縁隆線、コンタクトポイントの形状とその加減、歯冠形態を壊さずに適切なバイトを付与し全体調和させるのも技工士の感性に委ねます。デジタル技工がいかに便利になっても技工士としての技術と感覚の鍛錬は不可欠です。ワックスアップによる歯冠外形をCAD化して様々なクラウンを再現したり、デジタルカービングを活かせるのはアナログカービングに精通した歯科技工士が上手なように、弊社ではデジタル技工に携わる歯科技工士も含め全員が、研修のたびに提出する歯型彫刻の鍛錬を日々行っております。色調表現においても画像情報をもとに適切な彩度や明度の選定では画像ソフトの進化によりデータ化しましたが、それを再現する力量は技工士の努力と鍛錬によるものです。何よりも大切にしていることは会社として組織化した技工所のメリットを最大限に享受しながら、技工士ひとりひとりが先生のご要望を真摯にしっかりと受け取って最適で快適な技工物を提供することです。それを具現化しその目的を果たすためには個人で活躍する技工士のようなきめの細かい再現性のある技量と心得ています。今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
酷暑の折、くれぐれも皆様ご自愛くださいませ。

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