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T-プレス材料変更 従来より破折しにくくなりました

T-プレス材料変更 従来より破折しにくくなりました

2021年10月発行 No.107 / 記事執筆:宮岡

T-プレスの材料変更

インレーやラミネートベニアに最適な『T-プレス』は、e.maxに代表される二ケイ酸リチウムを主成分としたガラスセラミックスで、高い透過性、適度な強度、天然歯に近似した蛍光性を持っています。これまで『 IPS e.max プレス(イボクラ社) 』のインゴットを使用していましたが、10月20日より、同じ二ケイ酸リチウムを主成分としたガラスセラミックス『 MAZIC Claro Press(ペントロン・ジャパン社) 』に変更します。

材料の変更に伴い“物性”や“審美性”の影響が気になると思います。

物性の影響

まず1つめ、“物性”は従来よりも強くなります。壊れやすさの指標である“曲げ強度”のカタログ値は、『 IPS e.max プレス 』が2軸曲げ強度で470MPa、『 MAZIC Claro Press 』が3点曲げ強度で450MPaとなっていて、数値だけ見ると下がってしまっています。

しかし、この2つのカタログ値は試験方法が違うため、このまま比較することは出来ません。

試験方法が違うので比較ができない

2軸曲げ試験の方が3点曲げ試験より10~20%程度高い数値がでるとの実験データがあります。

そのため『 MAZIC Claro Press 』の3点曲げ強度450MPaは、2軸曲げ強度では517MPa相当(15%増計算)となり、『 IPS e.max プレス 』の470MPaより高くなります。

試験方法が違い比較ができないので、3点曲げ試験の数値を15%UP

審美性の影響

また、2つめの懸念点である“審美性”に関しては、従来とほとんど変わらないのでご安心ください。ペントロン・ジャパン社の開発者から聞いたのですが、『 MAZIC Claro Press 』を開発するにあたり、二ケイ酸リチウム材料で高いシェアを誇っているe.maxと互換性を持たすために、色調を再現することだけで2年もの歳月を費やしたそうです。弊社でも比較検証しましたが、並べてみても違いが判らないくらい近似していました。

より進化したT-プレスを是非ご利用ください。

T-プレスのハイトランス、ロートランス、ミディアムトランスの各対応シェード

新旧材料比較

旧材料新材料
材料名IPS e.max プレス MAZIC Claro Press
メーカーIvoclar Vivadent 株式会社ペントロン ジャパン株式会社
2軸曲げ強度470 MPa517 MPa ※2
ビッカース硬さ5,800 MPa6,114 MPa

※1、参考文献
   「日本補綴歯科学会第126回学術大会_セラスマート270の2軸及び3点曲げ試験における機械的強度差」
   「口病誌2005_最近の歯科用セラミックスの曲げ強さに及ぼす試験方法の影響」
※2、3点曲げ強度カタログ値(450MPa)を2軸曲げ強度相当の数値に変換(15%増)

T-プレスについて詳しくはこちら

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