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「B.O.P.Tコンセプト」とは?歯肉が下がらない審美歯科補綴治療

「B.O.P.Tコンセプト」とは?歯肉が下がらない審美歯科補綴治療

2021年9月発行 No/106 / 記事執筆:渡部

B.O.P.Tコンセプトとは

先日、弊社技工士の伊東が審美補綴治療B.O.P.Tコンセプトに関するセミナーに参加してまいりました。B.O.P.Tコンセプトは、2013年にイタリアのDrロイが提唱した“生物学的な支台歯形成の手法”で、近年、世界的にも注目されているテクニックの1つです。日頃、B.O.P.Tの症例に携わる機会もあるため、基礎から習得するべくB.O.P.T JAPAN代表の鈴木久史先生よりベーシックコースにて直接指導を受けてきました。鈴木久史先生はDrロイの承認を受けた先生であり、現在、受講会員数も100名を超えるほどのご活躍をされています。

B.O.P.Tコンセプトとは、生体の治癒能力を引き出し歯肉の生物学的反応により組織の誘導を伴う補綴、修復治療法で全く新しい治療の概念とされています。従来、フィニッシングラインはショルダー、シャンファーなど水平的な形成が補綴には適しているとされていました。B.O.P.Tが従来法と大きく違うのは、形成されたラインや印象時の歯肉の形態に合わせてクラウンを作っていくのではなく、フィニッシングラインのない垂直的な筒状の支台歯形成を行います。その際、シンジタージュ(歯肉溝内縁上皮をバーによって削る操作)を行いプロビジョナルの形で歯頚ライン、歯肉の厚みを変え歯肉の誘導を行います。その後、プロビジョナルの形に添って歯肉の発育を促しクラウンを製作していきます。

B.O.P.Tコンセプトのメリット

B.O.P.Tコンセプトのメリットとしては予後の長期安定、補綴物の設計の自由度が高いこと、適応範囲が広い、歯周組織に有利、インプラント周囲炎に強いなどが挙げられています。また、歯冠側方向に歯肉を伸展させる独特の補綴術式や術後、歯肉退縮が起こりづらいという特徴を持っていることにより症例にもよりますが歯周外科手術で歯肉移植など行っていた症例の何割かはB.O.P.Tコンセプトで治療が可能ともいわれています。テクニシャン側で従来法と大きく異なる点では、補綴装置のマージンラインを石膏模型上で歯科技工士が設定していくという点です。技工士による設計が模型上ということもあり、設計の自由度が高く歯頸ラインが異なる症例などでは正確な対称性を持った補綴装置の製作が可能になります。今現在の適応範囲としてクラウン、ポーセレンラミネートベニア、5級CR修復、破折歯、インプラントとされていますが今後その範囲はさらに広がるとされています。

B.O.P.Tコンセプトの症例はスリービー・ラボラトリーズへ

今月にはベーシックコースの次のステップのアドバンスコースの受講を予定しています。今後ともご期待に応えられる製品をご提供できるよう取り組んでいきたいと思います。

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